「戦」で表された激動の2022年。ソロデビュー35周年を迎えた桑田佳祐は、5大ドームを含む全国10公演「お互い元気に頑張りましょう‼」を終えました。しかし、ファンの熱い思いを受けて12月28日から3日間の追加公演を横浜アリーナで開催!そのプレミアチケットを手に入れた私の感想と感動をお伝えします。
年末の横浜アリーナは熱かった!
小学6年生の時に「勝手にシンドバッド」のシングルレコードを買って以来のサザンオールスターズファンである私。今回のライブチケットの入手を何度も試みたが、すべてハズレ…。追加公演の開催を知り、2022年の最後の運試しで応募したところ見事チケットをゲット!
ローチケでスマホにダウンロードするまで、正直信じられませんでした。
3日間の初日、12月28日の横浜アリーナライブでの体験は生涯忘れられないものとなりました。当日は新横浜駅近くのホテルで合流した息子と2人で会場に向かいました。
開演30分前の17時30分。ホテルを出て「アリーナ通り」を歩き出すと、このイベントがただならぬものであることを改めて感じました。横浜アリーナに向かう交差点で信号待ちをするたびに、私たちの周りには少しずつ少しずつ人が増えてきます。最初は「年末だからかな」なんて思っていましたが、どうやらそうではなさそうです。
広い道路の先、横浜アリーナの前には人があふれかえっていました。はやる気持ちを抑えながら、「スマホ画面」と本人確認のための「運転免許証」を両手に持って入口の列に並びました。
観客のオヤジ率、マダム率は・・・
スマホ画面を機械にかざすと、神の…いや紙のチケットが出てきました。ここで初めて自分の座席がどこなのかを知ることとなります。死んでもなくしてはならないチケットを握りしめ、コインロッカーにアウターやカバンを押し込み、Tシャツに着替えます。
まずはトイレに向かうと、トイレの中にも桑田サウンドが流れています。そして、そこに並んでいるのはオヤジ、オヤジ、オヤジ…。誰かが「お父さん!」とか言おうものなら全員が振り向くのは間違いない、という感じです。
私たちの座席はどうやら「Dブロック」のようです。すでに中年壮年の熱気が満ちている会場内に入りました。生れて初めてくる横浜アリーナ。「おーっ!」と思わず声がでました。まずは自分のシートを探さねば。座ったのは左手にステージが見える場所。スクリーンも大きくて、開演がますます楽しみになります。
ちなみにステージから見るとこのあたり。
周囲を見渡すと、やはり50代から60代の男性女性が多いようです。そんな中にも若い人たちの姿もちらほら見えます。でもオヤジとマダムの割合が6割以上、でしょうか。
12月28日のセットリストは
ソロツアーに合わせて、ベストアルバム「いつも何処かで」が11月23日に発売されていました。当日のセットリストはそれに合わせたものでしたが、あちこちにファンの心をつかむ曲が散らばめられていました。
なかでも新鮮だったのは「BAN BAN BAN」のアコースティックバージョン。なじみのあるCDとは違った雰囲気で、ちょっと懐かしさも感じられました。このツアーのためにアレンジが施され、厚みのあるコーラスワークに重なる桑田さんの歌声とパーカッションのオーガニックなサウンドが広い会場に清々しく響き渡っていました。
「悲しい気持ち(JAST A NAN IN LOVE)」はアリーナが一体となって、大合唱(マスク越しで)でした。私自身、歌っていて不思議な感動に包まれていました。
何十年の間、何度もCDで聴き、テレビ越しに見てきた桑田さんの声と姿。何十回もカラオケで歌い、歌詞はもちろんのこと、息継ぎや合いの手までもすべてわかっている自分。
今、桑田佳祐本人と同じ空間にいて、同じ音源で、同じ歌を歌っている。
時空を超えて、この瞬間を生きていると思うと、自然と涙が溢れました。
2023年に日本を元気にするのはエンターテイメントだ
アンコールを求める大きな拍手の音に応えてステージに戻った桑田さんは「ROCK AND ROLL HERO」でライブを再開。
疾走感に満ちたバンドサウンドとスピリチュアルな歌詞世界が混ざり合う「銀河の星屑」では、ダイナミックに躍動する光の筋やリストバンドライトの明滅によってアリーナ全体が“銀河”に変貌する美しい照明演出に目を奪われました。
「白い恋人達」では無数のミラーボールの光がきらめく中、パワフルなハイトーンを響かせる桑田さん。ここまで25曲という曲数を披露して、かなり声は辛そうではありました。それでもなお力強い歌声にアリーナ中から喝采が送られました。
そんな中でラストナンバー「100万年の幸せ!!」へ。心躍るバンドサウンドが響き渡る中で、桑田さんはダンサーチームとともに「お互い元気に頑張ろう!!」「2023年もよろしくね!」と書かれたパネルを掲げてファンにメッセージを送ってくれました。パフォーマンスを終え客席をくまなく見渡したあと、おもむろに赤いタオルを首にかけます。「元気が出るやつ、あれやるよ!」「みんな、いいね?」と観客にむかって力強くこぶしを掲げて・・・
「1、2、3、ダー!」
エンターテイメントが日本を元気にするということを実感したライブでした。
2023年が良い1年になりますように!