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退職を考えたら…

退職して1年。早期退職してよかったこと。

昨年3月31日をもって、教員生活終えました。

あれからはや1年。あっという間だった気がしています。

「早期退職の日常」を振り返ってみたいと思います。

1.精神的ストレスを感じなくなった

教員は1日の中で「いくつもの役割」「さまざまな立場」を使い分けることが求められます。

たぶん生徒や保護者、一般の方が思う以上に時間に追われています。

【授業】

教科担当として、複数のクラスの授業を受け持ちます。

50分の授業をするには準備と事後処理(採点や評価コメント)などで1時間は必要です。

【生徒指導・進路相談】

さまざまな場で生徒の様子を観察し、気を配ります。

他の教員と情報を共有したり、直接生徒と話をして指導したり、保護者と面談することもあります。

瞬間の判断を求められることも結構ありますし、生徒や家庭の絶対秘密の情報を管理することもあります。

【授業以外の業務】

生徒には見えませんが、「公務分掌」という校内での役割を授業の合間や放課後に行っています。

すべてのクラス、すべての教員の1週間分の時間割を作る担当者は、いつも眉間にしわが寄っています。

給食担当の教員は食物アレルギーの対応に神経を使っています。

教育相談担当の教員はスクールカウンセラーと保護者の時間調整、校内での情報共有の時間設定に苦慮しています。

私は「研究」の担当が多かったです。

授業の進め方や評価の仕方、「総合的な学習の時間」や「特別活動」などの教科以外の企画や準備、進路指導、行政への報告文書作成などを担当します。

【部活動】

部活動の顧問も結構ハードな役割です。

技術指導だけでなく、生徒の安全管理や人間関係のトラブルへの対応も重要です。

活動計画を立てたり、保護者や他校の顧問と連絡と取ったり、大会の運営準備をしたりもします。

授業や公務分掌の仕事、学年部の打ち合せなどは部活動指導終了後に行わざるを得ません。

自分の体調がすぐれなくても、学校に行けば、これらの役割をこなし、成果を出すことが求められます。

休憩時間は一応設定されていますが、休んでいる暇はありません。時間が空いたら、別の業務をこなします。

そんな状態ですから、緊張感をゆるめる時間はありません。

私の週末は、部活動指導と翌週の準備をするためにありました。

休日の朝から夕方まで、学校で過ごすことも当たり前のようでした。

そういう生活から離れ、今は「ストレス」とは無縁の毎日です。

2.自分の健康のために使う時間が増えた

学校中心の生活をしていると、必然的に自分のことは後回しになります。

とれてしまった歯の詰め物は、2年くらいほったらかし。

慢性的な腰痛や首肩の凝り。

部活動で生徒にボール出しをしたり、たまにデモンストレーションでプレイしたりする以外は運動することはありません。

退職してすぐに歯医者と眼科に通いました。

私の住んでいる県は退職教員互助会の制度で、満70歳までの医療費が全額給付されます。(退職時に不足分の掛け金は納付しましたが)

また、近所に新しくできた、24時間入れるのジムの会員になりました。夏でも冬でも快適にトレーニングができます。

以前からやってみたかった、硬式テニスのレッスンにも通い始めました。

おかげで精神だけでなく、肉体的にも状態はすこぶる良好です。

3.妻とおだやかに過ごす時間が増えた

私の妻も中学校の教員。

それぞれの学校で同様にへとへとになるまで働いて帰宅。

私のほうが帰りが遅く、夕食も妻が作るのが常でした。(片付けと洗い物は私の担当)

テレビを見ながら夕食を食べ、たまに職場の愚痴をきいてあげるくらいの会話しかありませんでした。

週末もそれぞれの学校で部活動指導とパソコン仕事。

仕事をやめてからは、「専業主夫」の私が夕食を作り、妻の帰宅を待つ生活。

妻の仕事量は変わりませんが、「夕食の準備をしなくてはいけない」というストレスと時間的制約がなくなり、仕事もはかどっているようです。

休日の過ごし方も変化しました。

車で遠方にいる子どもの顔を見に行ったり、スポーツ観戦に行ったり。

車中やホテルはもちろんですが、ほぼ24時間ふたり一緒にいます。

それだけで気持ちが近くなり、おだやかな気分になります。

退職して、「人間らしい生活」を送れています。

  • この記事を書いた人

まるす

「人生は一度きり。やりたいことをやってみる」と決心し、公立中学校教員を55歳で早期退職。FP資格を取得。おもしろいことを探している専業主夫。

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